今回は人と仲良くなるのが怖い、人に近づけないという心理
「親密感への恐れ」
について書いてみます。
今回は主に同性と仲良くなれない、をテーマにしていきます。
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皆さんは
”人と仲良くなるのが怖い”
”人に近づけない”
という体験はありますか。
もしくは
”人に近づきすぎると逃げたくなる”
”人に近づくと嫌なことが起こると思ってしまう”
こんな感覚がある、感じたことがある方は
「親密感への恐れ」を抱えているかもしれません。
これには幼少期や思春期の心の傷が原因になっていることが多いと言われています。
特に友達を作れない、学校や職場が変わると付き合いが終わってしまう、という方は思春期の友人関係で悲しい思いや傷ついた経験があるのでなないでしょうか。
例えば
・いじめにあった
・いじめをする側だった
・転校を経験した、あるいは友人が転校していった
というのは代表的な事例かと思います。
実は私も友達が作れず、学校や職場が変わると友達とは疎遠になる、という時期が長かったです。
これは思春期に起きたある出来事がきっかけだと気付いたのは心理学を勉強していた時でした。
ここからは私の経験談です。
人の生死にかかわるお話が出てくるので、読みたくない方はここで引き返して下さいね。
私自身は中学生までは友達を作る(というか気の合う人とは自然と友達になる)ことにあまり苦労しないタイプでした。
女子は学校にいるとグループが出来ますが、自然と気の合う何人かと仲良くできていたように思います。
それが一変する出来事は中学校3年生の時に起こりました。
中学校で同じクラスになり、3年生になるタイミングでより親密になった友人がいました。
大人しくてクラスにはあまりなじめない様に見えましたが、家では妹思いのお姉ちゃんで絵が凄く上手な子でした。
いつも綺麗なイラストを描いて見せてくれて、絵の才能が皆無な私には羨ましい存在でした。
そんな彼女は中学3年生の秋が深まったころに体調不良で休みがちになり、入院してすぐに天国に行ってしまいました。
当時はほぼ助からないと言われていた病気だと聞いたのは亡くなった次の日でした。
彼女とは、3年生になったころに彼女が私の家の近くに引っ越してきたことでより仲良くなれました。登下校を一緒にして、朝一番に彼女に会い、一日の終わりまで一緒にいるような日を過ごしました。
そんな彼女が急に目の前からいなくなってしまった時、悲しい気持ちよりも信じられない気持ちが圧倒的に強かったです。
そして私は悲しみの感情を抑え込んで行きました。
中学3年生と言えば高校受験の時期で、学校全体がピリピリしてくる時期。
そこに友人の訃報は学年全体をより重苦しい雰囲気にしていきました。
その子と仲の良かった私や周りの友人たちは、先生方からは腫物扱いでしたし、
「その子の分まで頑張って生きなさい」みたいな大人の説教にも嫌悪感しか持てませんでした。
その子の人生はその子にしか生きれないのに。
受験を控えていたこともあり、他の友人たちにも迷惑をかけてはいけないと思った私は誰にも悲しい気持ちを話せませんでした。
それは後からずっと尾を引いて、彼女のように近い距離には誰も寄せ付けることが出来なくなっていき、高校生になってからは仲いい友人を作ることが出来なくなりました。
友達が出来ても、学校を卒業すると関係は続きませんでした。
”友達はできたとしてもいなくなってしまう”というのが私が無意識に抱えてしまった観念だったと思っています。
そして、”私と彼女の距離感には誰も近づけさせない”という気持ちがあったように思います。
”どうせみんないなくなるなら仲良くなんかならなくていい”、そう思って生きてきたのかもしれません。
夫婦関係や両親との関係を見直したり、お弟子になって随分と癒しは進み、”友達を作れない”感覚はずいぶん和らぎました。
もし、あなたが人と仲良くなれない、と思ったら思春期の友人関係を振り返るのも1つの方法です。
私は彼女が亡くなってから30年ほどたった時、彼女に手紙を書きました。
もっと一緒にいたかった。
大人になったら一緒に旅行したり、お酒を飲んだり、買い物に行ったり
楽しいことをたくさんしたかった。
そんな風に。
今でも完全に悲しみが消えたわけではありません。
でも前よりも彼女の笑顔を思い出すことが増えました。
今月はその友人の命日です。
お花を買ってきてお供えするつもりです。
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思い出話にお付き合いいただきありがとうございました。
またお会いできると嬉しいです。
心理カウンセラーの実佐でした。
コメントや質問頂けると嬉しいです。
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